タイル豆知識Tile Tips
タイルとは
1.タイルという名称

タイルはやきものでできた薄板で、建物の内外の壁や床・屋根を覆うものを指します。
多くは正方形や長方形などの定形をしていて単位素材として使われます。
大辞林では「床や壁などに張りつける陶磁器製やプラスチック製などの薄板」とされていますが、
本サイトでは陶磁器質で屋内・屋外の壁・床に張る建築仕上げ材料をタイルとします。
(JISの規格も「陶磁器質タイルCeramic tiles」となっています)
英語のタイル『TILE』は、ラテン語のテグラ(覆うものという意味)を語源としています。
日本でタイルという名称に統一されたのは、大正11年、東京で開かれた「平和記念東京博覧会」のことです。
それまでは敷瓦、腰瓦、壁瓦、化粧れんが、張り付けれんがなどの名前で呼ばれていました。
タイルによく似た建材に、れんがとテラコッタがあります。
れんがは赤れんが建築で代表されるように、積み上げて壁や柱など建物の構造体となります。
一方、タイルは薄板なので、れんがのように蓄層して構造体になることはできませんが、
れんがやコンクリートの表面に張って構造体(躯体)を保護したり、装飾することができます。
テラコッタは、「焼いた土」という意味のラテン語が語源になっていて、一般には陶板や人形などの素焼きのやきものを指します。
しかし、建築では建物の内外壁に張りつける装飾を施した、板状や凹凸の大きな立体のやきものを指します。
テラコッタは、タイルよりはるかに大型で重量のあるものが多く、
タイルとは異なり、引き金物やボルトなどを使って躯体に固定する特殊な施工方法が必要となります。
2.タイルの特徴
陶磁器質タイルは無機質の建築仕上げ材料として優れた性能を持っています。
●耐久性:耐候性に優れ自然環境に対して、劣化、変色、変質がありません。
●科学的安定性:酸・アルカリなどの薬品に対して変質しません。
●物理的安定性:耐熱性・防火性・防水性に優れています。
●メンテナンス:耐摩耗性・清掃性に優れています。
歴史ある「やきもの」の技術を受け継いで、様々な風合いや色彩、形、材質感を表現でき、
さらに多様な張りパターンで、他の仕上材にはない、豊かな意匠性を持っています。
参考・引用文献・写真:タイルの知識:株式会社LIXIL