タイル豆知識Tile Tips
◆タイルの種類◆区分方法
焼き物は一般に磁器、せっ器、陶器、土器などに分類した呼び名がありますが、
タイルの場合は(セラミックタイル JIS A5209 2014)で以下のように分類しています。
1.区分方法
(1)種類
タイルには「釉薬の有無による種類」「成形方法における種類」「吸水率による種類」という、
3つの区分があります。
なお、成形方法及び吸水率による種類は下記に示します。

●釉薬(うわぐすり)の有無による種類
タイル表面の釉薬の有無によって以下のように区分されます。
※釉薬:粘土や顔料などを水に混ぜた液体で、素地の表面に塗布され、焼成されることでガラス化します。
・無釉タイル:釉薬をほどこさず、素地がそのまま表面となるタイル
●成形方法による種類
タイルの成形方法は主に下記のような2種類があります。
押出し成形:含水率の高い素地原料を、押出成形機によって板状に押し出し、所定の形状・寸法に切断して成形する方法。
プレス成形:細かく粉砕された含水率の低い素地原料を、高圧プレス成形機で所定の形状・寸法に成形する方法。
●吸水率による種類
吸水率によって下表のように区分しています。
これによって素地の粗密や気孔の多少の目安になります。
2008年のJIS改正により測定方法は自然吸水から強制吸水(煮沸法または真空法)に変更になり、
磁器・せっ器などの呼び名からⅠ~Ⅲ類という呼び名に替わりました。
従って、この区分が外装への使用可否や耐凍害性の有無の判断にはなりません。
※凍害:タイル素地に浸透した水が凍結・融解を繰り返し、タイルを破壊する現象です。
(2)主な用途による区分
タイルはJISの種類とは別に主に使用されている部位(用途)によって下表のように区分しています。
タイルには平面に張る「平物(平)」と出隅・入隅などに使う「役物」があり、用途によって様々な形状があります。
モザイクタイルとは、平物1枚の表面積が50c㎡以下のタイルです。
●内装壁タイル
内装壁タイルは下表の形状をはじめ、様々な形状・寸法のものが使われています。
平物と役物のおさまりの例を下図に示していますが、役物の品ぞろえは商品によって異なります。
●内装モザイクタイル
内装モザイクタイルは様々な形状、寸法のものが使われています。
●内装床タイル・内装床モザイクタイル
内装床タイルは、100mm角の小型のものから600mmを超えるような大きなサイズのものまであります。
内装床タイルの形状例(平物)
役物には下記のようなものがあります。
●外装壁タイル
外装壁タイルは下表の形状の中で小口平、二丁掛平が良く使われていました。
これらは積みれんがのサイズに由来しています。
近年では600mmを超えるような大きなサイズの外装壁タイルも使われるようになってきました。
※実寸法や設定目地幅は商品によって異なります。
●外装壁モザイクタイル
外装壁モザイクタイルは一般的に紙張りユニットで使用されます。
●外装床タイル・外装床モザイクタイル
外装床タイルは、100mm角の小型のものから600mmを超えるような大きなサイズのものまであります。
外装床タイルの形状例(平物)
※実寸法や設定目地幅は商品によって異なります。
参考・引用文献・写真:タイルの知識:株式会社LIXIL